来年10月に、神宮(伊勢神宮)の式年遷宮が行われる予定になっています。神宮では、原則として20年ごとに内宮や外宮のお宮を造り替え、神様にお移り頂く行事を執り行います。神宮の式年遷宮は、飛鳥時代の天武天皇が定め、持統天皇の治世に第一回が行われたと記録されています。何と西暦690年です。
現在、来年10月に神様(天照大神)にお移り頂くお宮を建築中なのですが、この建築方式が何と「弥生建築方式」なのです。信じられますか。「弥生」建築方式です。弥生とは、もちろん弥生時代の「弥生」になります。
二十一世紀に、1500年以上昔の建築手法が現役の国など、間違いなく世界に我が国だけです。そして、日本に弥生建築が残されたのは、まさに神宮が二十年ごとに式年遷宮を繰り返し、建築技術が若い世代へと受け継がれてきたためなのです。
ところで、この式年遷宮ですが、コストが約500億円かかります。
さて、この500億円は、高いでしょうか? それとも安いでしょうか? 特に、デフレが継続している現在の日本において、500億円分の日本円など、日銀が指先一つでパパパッと生み出す(日銀当座預金の残高を増やす)ことが出来る「程度」のモノでしかありません。
それに対し、蓮舫氏方式で、
「500億円もかける必要があるんですか!? ムダです! 今回は式年遷宮は見送りましょう」
などとやってしまうと、1500年以上前から連綿と伝えられてきた弥生建築方式は失われてしまいます。そして、二度と取り戻すことはできないでしょう。
日本国民は、「言葉」(「ムダの削減!」とか「官僚制度は非効率!」とか「既得権益が!」とか「利権が!」とか)に惑わされ、本当に大切なものを失いつつあったのだと思います。
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