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「血が流れると、金儲けする奴が現れる」… だったか、ジョディ・フォスター演じる敏腕弁護士は、そんな事を口にして憚らない。これはむしろ、実際に悪に荷担してボロ儲けした奴よりも罪が重い。「儲 かればいい」「勝ちゃいい」「人を踏みつけにしても自分さえ良ければいい」…そんな価値観を体現しているのが彼女なのだ。
いや、それは我々の今の社会全体を体現している。 そもそもどこかの政府の指導者たちがヒルズの成金どもをホメそやしていたって事は、「勝ちゃいいんだよ」が正しいとお墨付きを付けたようなもんだろう。だ がそんな事は、決して公言されるべき言葉ではないはずだ。そもそも知性と良識ある人間が口走る言葉じゃない。本当だったら、口にするのも恥ずかしい言葉の はずなのだ。
それがあたかも「本音を言う」ことと誤解され、容認…あるいは時として賞賛されてしまうあたりが、僕らの社会の最も病んでいる点なのだ。
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映画「インサイド・マン」の評より。
(via kikuzu) (via petapeta) (via yaruo)