この中国の論評は、例えば韓国大統領の演説や韓国紙のこちらの論説に対する中国側の回答。
最後から2段落目(下線部)にある強烈な皮肉が笑える。中国は自国の意思として北朝鮮に深入りしないし、米国・韓国からの強い要請を受けても、中国は北朝鮮に触ることはない。
中国は北朝鮮の核武装に明確に反対していたはずだが、この文章は核について全く触れていない。
この文章は、「6ヶ国協議を通じて平和的解決を目指すなら、中国は骨を折ります」とも読めるが、「武力で北朝鮮を潰したければ、どうぞご自由におやり下さい。ただし中国は協力しません」とも読める。
中朝国境に米韓軍が接近することに対する拒絶感が、全く書かれていない。北朝鮮を守ろうとする中国政府の意思が見あたらない。せいぜい、戦争をすればあなたたちも疲れますよ、くらいの指摘。WikiLeaksの文書とも一致する(笑)。
砲撃戦の落とし前をどうしてくれるという話なら6ヶ国協議でもいいが、議題は北朝鮮の核開発。6ヶ国協議をやるということは、北朝鮮に核開発の時間を与えるという意味になる。私は、最早それはないという前提で考えている。
(文末)英語のthink twiceを、中国語では三思と言うのか。
「朝鮮を服従させられる」は自他ともに欺く考えだ
j.peopledaily.com.cn/94474/7218079.html
「人民網日本語版」 2010年12月2日
中国による6カ国協議再開の提案に対する韓国の反応は非常に冷淡だ。これが韓国政府の本心とは限らないが、韓国社会は現在激しい感情に左右されており、理性的であろうとする者はいない。6カ国協議は情勢を効果的にヒートダウンすることができるが、韓国社会は現在、怒りを晴らすことをより望んでいる。人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」が伝えた。
現在韓国はインターネットから大手メディア、さらには政府の政策決定層に至るまで、ほぼ一致して強硬姿勢を見せている。これは韓国の団結のようにも見えるが、実は正常なことではない。韓国外交通商省と青瓦台(大統領府)は、韓国ネットユーザーにはない知恵や長期的視点を備えているのが当然だからだ。
韓国は朝鮮よりずっと国力が強いうえ、米軍との防衛協力もあるため、延坪島砲撃のような事件が起きたとしても、韓国の大きな安全保障は揺るぎようがない。韓国社会はこれについて、事実に基づき考えるべきだ。朝鮮半島に現在必要なのは南北摩擦の回避だ。ひとたび摩擦が生じたら、そのヒートアップを抑制する能力が必要だ。北方「大規模侵略」と映画「ザ・デイ・アフター」のような悲劇の発生確率は大差ない。
中国は韓国が怒りを晴らすことを手助けするわけにはいかないが、朝鮮半島の緊張緩和を真摯に手助けし、韓国が苦痛に備える南北摩擦を緩和する方法を模索している。中国は韓国が一時の快さではなく、根本的な利益を達成することを手助けしている。
韓国世論はすぐに方向転換して中国の善意を理解することはできないだろう。だが韓国政府が中国と協調しないとは、まさかソウルの高官達はその是非曲直を見通せないのだろうか?多分そうではあるまい。おそらく彼らは、問題解決の真の要請に逆行する方が、社会の激しい感情に逆行するよりも短期的な政治リスクがずっと小さいと考えているのだろう。
米国が「アジア回帰」を発表して以来、朝鮮半島では危機の頻度が増している。韓国は深く考えることなしに、韓米軍事同盟という薬によって朝鮮半島の万病を治せるとの盲信を深めている。だが実際にはこの薬は効かないため、彼らは中国を無理に薬仲間に引き入れようとしている。中国が朝鮮に強硬姿勢を示せば、平壌はすぐに言うことを聞くようになるというのは、中国国民からすると非常におかしなロジックだ。韓国や西側世論から、万有引力の法則のように神聖で正確なことのように説かれるとは意外である。
朝鮮と韓国は同じ民族だ。韓国人は自らの選択を堅持し、外部の説得には簡単に応じないという自民族の性格、そして独立自主を求める姿勢をよく理解している。韓国が朝鮮の政治をどう見ようとも、平壌側は現在、大国からのいかなる命令口調も拒絶するという道理を貫いている。これも韓国人の自民族の性格のもう1つの表現ではないのか?
朝鮮半島で全面戦争が再発し、将来の政治的版図が鉄と血によって塗り替えられるのを見たくないのなら、唯一の実行可能な道は、関係各国が席に着き、各々の憂慮や要求を口に出し、相互妥協によって永続的平和を手に入れることだ。現在北京は再び6カ国協議のテーブルを準備している。韓国には三思してもらいたい。(編集NA)
”- 朝鮮半島情勢:中国は朝鮮人には触りません 日々の感想/ウェブリブログ (via ittm)