"ほとんどのマスコミ取材を拒み、仕事や住居を何度も変えてきたひとみさん。ただ真実ちゃんの遺骨は埋葬せず、常に手元に置き続けた。 　「遺骨箱に話し掛けると、娘が言葉を返してくれるような気がして。この箱を手..."

ほとんどのマスコミ取材を拒み、仕事や住居を何度も変えてきたひとみさん。ただ真実ちゃんの遺骨は埋葬せず、常に手元に置き続けた。

　「遺骨箱に話し掛けると、娘が言葉を返してくれるような気がして。この箱を手放したら、存在自体がなくなってしまうのではないか」と恐れた。

　今年８月、真実ちゃんの遺骨を埋葬した。「あの子をそろそろ休ませてあげたら」という親族の助言に耳を傾けた。でも「私がお墓に入る時に一緒に墓標を彫ってほしい」と望み、墓石には何も彫らなかった。

　菅家さんの再審無罪判決後、県警や宇都宮地検から謝罪を受けた。当時のＤＮＡ型鑑定の誤りを認めない上、半袖下着の返却も再捜査もしない地検。「まるで真犯人の共犯者のよう。真犯人が明らかになると困る理由でもあるのだろうか」。怒りを抑えきれない。