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- (高橋清隆『偽装報道を見抜け!』P109) (via breathnoir)
植草氏が「はめられた」理由としてよく挙げられるのは、2003年5月のりそな銀行救済に絡むインサイダー取引疑惑の指摘である。小泉内閣は「大銀行でも破綻を辞さず」とした政策方針を、この救済で一変させた。この過程で大規模なインサイダー取引が行われた疑いが濃厚だとして、証券取引等監視委員会に再三調査を求めていた。
実際、急反発した同社株の売買で大きな利益を上げたのは外資系ファンドで、竹中平蔵元金融相はじめ政府中枢が関与した可能性に言及してきた。
りそな疑惑について追及する者は、植草氏のほかにも不信師や痴漢事件に相次いで巻き込まれている。2003年4月、りそな銀行の監査を担当する朝日監査法人の公認会計士、平田聡さんが自宅のマンションから転落死。2006年9月、りそなの脱税を調査していた国税調査官の太田光紀さんが手鏡で女子高生のスカートをのぞいたとして神奈川県警に逮捕。2006年12月、「りそな銀行、自民党への融資残高10倍」とのスクープを載せた朝日新聞記者、鈴木敬一さんの水死体が東京湾で見つかった。2007年4月、東京文京区のマンションの部屋で口に靴下をくわえ、後ろ手に手錠をかけられた読売新聞の記者、石井誠さんの死体が見つかった。りそなとの関係は断定できないが、竹中元金融相について追求していたと言われている。
これらを報じた新聞はあるが、取材対象との関係に追求したものはない。しかも、死亡した者はすべて「自殺」としている。後ろ手に手錠をはめられ、口に靴下をくわえた自殺などがあるものか。りそなのインサイダー取引疑惑については、証券取引等監視委員会が一切動いた痕跡がないまま2008年5月に時効を迎えた。
”- (高橋清隆『偽装報道を見抜け!』P109) (via breathnoir)