
では、なぜこのスパイラルはなくならないのでしょうか。
デフレスパイラルとは、「モノが売れないから値段を下げる」「値下げが企業利益を圧迫し、従業員の給与が下がる」「給与が下がるからモノを買わな い」というものです。もともと当事者は自らの置かれた状況に対応して、メリットのある行動をしています。それが回りまわって自らの首をしめているので、な かなか解消しにくいものです。
それに加えて就活と教育の「負のスパイラル」は、より解消されにくい要素を持っています。それは「当事者がなんとなく楽で幸せ」な状態だというこ とです。学生にすれば、勉強するより課外活動にいそしんでいた方が面白いはずです。それが就職活動において役に立つのならなおさらです。
学校の先生からしても、時間を割いて学生の指導に尽力するより、毎年なんとなく同じ授業をしていた方が楽です。ましてやその方が自分の研究に時間 を割くことができます。企業の採用担当者側からしても、既に確立している採用方法に則ったほうが安心して採用活動にとりくむことができます。
つまり、当事者である3者(特に学生と先生)にとっては、今がぬるま湯のような状態になっているのです。
(via 日本の学生、大学、企業を骨抜きにした 就職活動における「負のスパイラル」の正体|不機嫌な就活 辻太一朗|ダイヤモンド・オンライン)