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- [書評]お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!(加納明弘、加納建太): 極東ブログ (via ginzuna) (via aya18) (via peacesmoker) (via mendokusai) (via joker1007) (via konishiroku) (via yaruo) (via otsune) (via makototz) (via mitaimon) (via tetsuharu)
重要なことは、時代認識の総体に関わる、第二次世界大戦と冷戦の認識だ。
核兵器などなくなれば平和になるという若い人らしい平板な発想がきちんと潰されていくあたりは、ぞくっとする。説明は、独ソ戦から説かれる。誰がヨーロッパをナチスから解放したか?
息子 ソ連は、雪で守られているあまりドイツと戦争に参加しなかった?
親父 違う、違う、そうじゃない。ソ連軍は連合軍側では一番死者を出したんだよ。独ソ戦は第二次世界大戦のハイライトだよ。ナチスを軍事敵 に打倒したのはソ連だから。この点について、日本人の多くの認識が世界の常識と違うんだよ。ちゃんとした歴史教育を受けていないんだよ。ナチを倒したの は、
息子フランスじゃないんだ。
(略)
息子 イギリスでもないんだ。
(略)
親父 (略)このナチ打倒の功績によって、戦後の世界政治のシステムが、米ソ二極システムになった。そこを理解しないと、20世紀の歴史がわかったことにならない。
(略)
ソ連軍は対ドイツ戦に動員した大兵力をそのまま中央ヨーロッパの戦線の駐留させたから、ソ連がその気になりさえすれば、西ドイツ、フランス、ギリシャ、イ タリアまでもが、ソ連圏になっている可能性は非常に高かった。それだけ米英とソ連の間の軍事バランスはソ連優位だった。だから、冷戦が始まった1940年 代後半にアメリカが核兵器を持っていなければ、ソ連が一気にイギリスを除く西欧を衛星国にしていた可能性はあったんだよ。そこで核兵器の話に戻るけどね、 スターリンがなぜ西進の決断ができなかったかっていったら、やっぱりアメリカの核兵器が恐かったからだよ。
息子 アメリカが日本に核兵器を落とした。しかし、アメリカの核兵器はヨーロッパの平和維持に役立ったというわけ? その睨みが?
親父 それを平和というか安定というかはともかくとして、少なくともソ連軍の西進を抑止することに核兵器が貢献したと、アメリカもロシアも西ヨーロッパ諸国も考えている。(後略)
冷戦の解説の話は、公平に言えば、一つの独自の史観とも言えるが、引用部分以外も包括的にかつ完結にまとまっていて、それだけでも本書の価値を高めている。
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