"ジョブズが使うプレゼン技術はシンプルである。業界用語は使わない、個条書きにしない、統計やデータを使わない。聴衆が知りたい要点を簡潔に伝える、３つのポイントで説明する。こんな具合に、ジョブズの実例を引きな..."

ジョブズが使うプレゼン技術はシンプルである。業界用語は使わない、個条書きにしない、統計やデータを使わない。聴衆が知りたい要点を簡潔に伝える、３つのポイントで説明する。こんな具合に、ジョブズの実例を引きながらプレゼン術が解析される。

　参照されるジョブズのプレゼンの具体例はおもしろい。だが残念なことに、著者の理論でジョブズ風プレゼンのアドバイスを始めると、途端につまらなくなる。ジョブズのメソッドはシンプルなだけでなく、その先に「奥義」が隠されているのだ。

　本書は「奥義」にも迫ろうとする。その正体は、ジョブズの持つ有無を言わせない「感染力」だという。それを身につけるにはどうすればいいのか？　著者は「何が生きる目的なのだろうか。それを自覚し、全身全霊で表現しよう」とアドバイスする。それはもはやプレゼン術ではなく、人生訓だ。