話は私が中学生の頃に遡ります。
母親の口癖は「品格はお金で買えない」で、シモネタ的なものは一切禁止でした。
小学生の時からドリフやクレヨンしんちゃんも「下品」という母の一言により、視聴できないことがあったくらいです。
ですが中学生になったら、誰だって性に関心が生まれます。日本中の子供がそうなんだから、私だって例外にあらず。関心のあることには気が済むまで取り組む、こだわり派の私。その時も、エロを追求するために「エロ部」というものを結成しました。
活動内容は、 エロ本の入手及び共有、 AVの入手と試写会の実施、 猥談交流会などなど。 私たちは誰に迷惑をかけるでもなく粛々と活動を続けていました。
そんなある日のこと。 私立校に通う男子が、 18禁ならぬ、20禁のエロ本を貸してくれました。
18禁のエロ本と20禁のエロ本の違いは何かと聞かれると 今でもちょっとよくわからないのですが、18禁がハレンチだとしたら、20禁はハレンチ祭りってとこでしょうか。
多少アブノーマルな要素も含まれるそれは、部員の誰もが初めて目にするお宝。自慢したがりの私は部員を緊急招集しました。
「ねえ、これすごくない?18禁の上の、20禁だよ、20禁!!」
案の定、皆、口々に褒めてくれました。 「さすが部長!」と。
私はもう鼻高々です。 あなた方にも見せてあげるわよ、 遠慮しないで見ていって。おーっほっほ。
その時、とある後輩メンバーが、「先輩、これ、家でじっくり見たいので持ち帰っても良いですか」と聞いてきました。
内心「私もこれからちゃんと見たいのに」と思いましたが、そこは部長の懐の深さを見せねばです。後継の育成や部員のモチベーションなどあらゆることに配慮して、彼女にエロ本を託しました。
その時の私は夢にも思いませんでした。 この判断が最悪の結果を引き寄せることを…。
悲劇は翌日起こりました。 帰宅すると、家がまるで葬式のように静かで、暗いのです。
「おろおろ。地獄の一丁目でもあるまいし、なんだこの辛気くささは」 と思いながら、家に入ると、
リビングで母が塩をかけられたなめくじのようにふにゃっとなっているではありませんか。
「どうしたの?」とかけよろうとした私は、その場に立ち尽くしました。
母親の前にあるのは…
あるのは…!!!!!!!!!!!!!!!!
私が目にしたのは、ハレンチ祭りインフロントオブザ・母親という信じられない光景でした。
エロ本は後輩の痛恨のミスにより(痛恨すぎるだろ)、後輩の母親に渡り、後輩の母親から「これおたくの娘さんの持ち物らしいですけど!」というきっつい言葉とともに母親に渡ったことが判明。これは夢か。夢であって欲しい。
「春香ちゃん、お母さんは恥ずかしい。これ、普通のエロ本じゃないよ…。あなた女の子でしょ」
あなた、女の子でしょ。あなた、女の子でしょ。あなた、女の子でしょ。耳の中でその言葉は100万回RTされていきました。
”- はあちゅう[伊藤春香] 公式ブログ/ターニングポイント。 - GREE (via otsune)