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七、日韓摩擦を煽るマスコミ
盗賊を義賊扱いする韓国マスコミ
「返還問題」に関して六にのべた常識も現今のような日韓マスコミの通念からすると、通用するかどうかは甚だ危ぶまれる。
平成二年四月六日、神戸市の骨董愛好家の家に強盗が入った。犯人は盗品を売りにいったソウルで逮捕されたが、かねて被害者も顔見知りの韓国人金さんで
「もともと植民地時代に日本人に強奪されたもので、こうでもしなければ取り返しようがない」
と強弁したという。「盗人にも三分の利」で、どんな犯罪者でも必ずなんらかの自己正当化をいいつらう。金さんもその例に洩れずで、ここまでは普通の事件である。
さてこれからが特異な展開である。まず韓国の新聞の報道態度は「行為は犯罪であるが、国宝級の文化財が帰ってきたのは祝うべきで、返す必要はない」
とする意見を紹介した。専門家の意見とあるが何の専門家か判らない。まさか盗品処分問題の専門家はいないであろう。
朝鮮日報は「義賊」とする来電が頻々とあった、と披露する。
新聞社というものは自社の意見を開陳したいときに、こういう形で報道するのが通例で、これを見ると韓国の言論界が「よくやった」と強盗を褒めた、ということになる。
誰でも買えた”国宝”なのに
さて金さんを義賊とするならば、被害者は悪辣な手段で韓国人民からこれを入手した強欲者か、というとそうでもない。
これらは被害者が二十年前に阪急デパートで平穏裡に購入したもので、ことに韓国マスコミによって「時価一億円の国宝級」と報道された『窓絵の虎文壷』は購入当時の価格百万円であったという。それにこの品が国宝級というのも怪しく、被害者は「何が国宝でんねん」と憤慨し、陶磁学者の鄭先生(本文参照)も「二流品で地方の博物館程度のもの」といっておられる。
にも関わらずこれを国宝級とうたい、一億円とセリあげたのは、高価な国民的文化財が日本人に所有されていることを大衆に訴え、そのナショナリステイックな憤激を喚起して事件を重大化しようとする韓国ジャーナリズムの所為であろう。
さてここ二十年だけでも、この事件の主役『窓絵の虎』を超える幾多の”国宝級”?の李朝磁器が日本の骨董商の店頭に出没したか見当もつかない。
その都度これらを買ったのは、韓国人や在日韓僑をさしおいて多くは日本人であった。例の安宅コレクションが住友銀行の手に渡り、さらに住友グループが買取り、これを大阪市に寄付する過程でも、これを韓国ないし在日僑胞が引き受けて買い取るという話はなかったようだ。
あれは韓国の文化庁にとっては大きいチャンスであった。其ほどまでに「返還」を重要視するなら、ああいう機会になぜ自国の古陶磁器を買い戻さないのであろうか。これを経済力の格差とこじつけるのは当たらない。
盗難事件の本質は金大中誘拐事件と同じ
近年李朝モノが人気を博してきたので、儲けようとして買い出しに来た。しかし商談がウマクいかなかったので強盗に変じ、破損させながらもソウルまで持ち込んで売りつけた。これがこの事件の真相である。
だいたい『窓絵の虎』の壷など日本帝国主義による民族文化財の強奪などと何らの関係を有するものでない。これは常識であり、そんなことは分かっているの に、真相をまげて強引に世論を掻きたてようとするものに文化を語る資格などない。さらに韓国の文化財保護法の規定を用いて、一種の超法的解釈により、盗品 の返還(原状回復)という国家当然の義務を免脱しようと図る者も同様である。
- マスコミ不信日記 : 【文化財引き渡し】「日韓摩擦を煽るマスコミ」(上)【あくまで参考】 (via ittm) (via chikuri) (via nandato) (via mnak)
ところで今を去ること二十年前、とある韓国人による日本での李朝磁器窃盗事件があったそうで、その顛末やマスコミ報道が興味深い。この本の巻末コラム「陶余史談」より。
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七、日韓摩擦を煽るマスコミ
盗賊を義賊扱いする韓国マスコミ
「返還問題」に関して六にのべた常識も現今のような日韓マスコミの通念からすると、通用するかどうかは甚だ危ぶまれる。
平成二年四月六日、神戸市の骨董愛好家の家に強盗が入った。犯人は盗品を売りにいったソウルで逮捕されたが、かねて被害者も顔見知りの韓国人金さんで
「もともと植民地時代に日本人に強奪されたもので、こうでもしなければ取り返しようがない」
と強弁したという。「盗人にも三分の利」で、どんな犯罪者でも必ずなんらかの自己正当化をいいつらう。金さんもその例に洩れずで、ここまでは普通の事件である。
さてこれからが特異な展開である。まず韓国の新聞の報道態度は「行為は犯罪であるが、国宝級の文化財が帰ってきたのは祝うべきで、返す必要はない」
とする意見を紹介した。専門家の意見とあるが何の専門家か判らない。まさか盗品処分問題の専門家はいないであろう。
朝鮮日報は「義賊」とする来電が頻々とあった、と披露する。
新聞社というものは自社の意見を開陳したいときに、こういう形で報道するのが通例で、これを見ると韓国の言論界が「よくやった」と強盗を褒めた、ということになる。
誰でも買えた”国宝”なのに
さて金さんを義賊とするならば、被害者は悪辣な手段で韓国人民からこれを入手した強欲者か、というとそうでもない。
これらは被害者が二十年前に阪急デパートで平穏裡に購入したもので、ことに韓国マスコミによって「時価一億円の国宝級」と報道された『窓絵の虎文壷』は購入当時の価格百万円であったという。それにこの品が国宝級というのも怪しく、被害者は「何が国宝でんねん」と憤慨し、陶磁学者の鄭先生(本文参照)も「二流品で地方の博物館程度のもの」といっておられる。
にも関わらずこれを国宝級とうたい、一億円とセリあげたのは、高価な国民的文化財が日本人に所有されていることを大衆に訴え、そのナショナリステイックな憤激を喚起して事件を重大化しようとする韓国ジャーナリズムの所為であろう。
さてここ二十年だけでも、この事件の主役『窓絵の虎』を超える幾多の”国宝級”?の李朝磁器が日本の骨董商の店頭に出没したか見当もつかない。
その都度これらを買ったのは、韓国人や在日韓僑をさしおいて多くは日本人であった。例の安宅コレクションが住友銀行の手に渡り、さらに住友グループが買取り、これを大阪市に寄付する過程でも、これを韓国ないし在日僑胞が引き受けて買い取るという話はなかったようだ。
あれは韓国の文化庁にとっては大きいチャンスであった。其ほどまでに「返還」を重要視するなら、ああいう機会になぜ自国の古陶磁器を買い戻さないのであろうか。これを経済力の格差とこじつけるのは当たらない。
盗難事件の本質は金大中誘拐事件と同じ
近年李朝モノが人気を博してきたので、儲けようとして買い出しに来た。しかし商談がウマクいかなかったので強盗に変じ、破損させながらもソウルまで持ち込んで売りつけた。これがこの事件の真相である。
だいたい『窓絵の虎』の壷など日本帝国主義による民族文化財の強奪などと何らの関係を有するものでない。これは常識であり、そんなことは分かっているの に、真相をまげて強引に世論を掻きたてようとするものに文化を語る資格などない。さらに韓国の文化財保護法の規定を用いて、一種の超法的解釈により、盗品 の返還(原状回復)という国家当然の義務を免脱しようと図る者も同様である。
そ
ういえば、先年韓国の当時の大統領の政敵であった金大中氏が東京のホテル・グランドパレスから誘拐され韓国へ連れ去られた事件があった。このような犯罪行
為の公法上の始末は、その事件によリ損なわれた国家秩序の回復、いわゆる「原状回復」がなされることが、国家的権威の保持からも要請されるのである。
これは金大中氏の身柄を誘拐のあった現場である日本にいったんは戻すことを意味するのであるが、韓国がこれをせず、自民党政府も曖昧な政治決着をしてし まった。これを治外法権を認めたようなものであるとして、日本の左翼・革新勢力およぴ各新聞は極めて先鋭な論陣を張った。これは、その限りで正しかった。
そして今回の『窓絵の虎事件』は「外交官」が「強盗」に変わり、「人」が「壷」に替わっただけで、その本質は『金大中氏誘拐事件』と同じである。なのに日本の各新聞はこの観点を忘れて、韓国紙と同列の「取り返し義賊」理論に乗っているがごとくである。
文化庁長官発言の疑問
ところで韓国の良識人は今回の事件をどう考えているのか。韓国の外交関係者は、身柄は引き渡さない(犯罪者引き渡し協定が無いから)が、モノは当然返すという。
このレヴェルではさすがに国際的常識に立っているようである。しかし、警察関係者になると文化財の返還の必要無しとの強硬意見があるという。かの国の公安関係者の法意識には、金大中事件を思い出しても首を捻らざるをえない。
さらに庵主の腑に落ちないのは、学者としてかねがね注目している李御寧氏(文化庁長官)の発言である。
「民衆のレベルでは盗んだものは盗んでもいいという考え方もあるだろうが、国際法律的にみればそんなことはできない。一応堂々と日本に返す。そして(被害者が)自分の意思でこちら(韓国文化庁)にプレゼントするのがハッピーエンドだ。
割り切れない問題が前提にある。盗んだ者を英雄視してはいけない。痛快だという人もいるが正当だという人はいない。骨董品クラスは結構だが国宝クラスの文化財で個人所有のものは、日本側が民間のレベルで故郷に返す。そんな運動が日本側から起こった方がいいと思う。」(発言内容は『アエラ』による)。
ところで一色崇美(本名・落合莞爾)氏がこの本で紹介している陶磁器についてはこんな事件があったそうで。
「東洋の官窯陶磁器展」贋作事件
、、、、、orz
まあ今回はあくまで、日韓間の文化財のゴタゴタをめぐるマスコミや学識者の偏向振りをお楽しみください(ってそれでいいのか?
”これは金大中氏の身柄を誘拐のあった現場である日本にいったんは戻すことを意味するのであるが、韓国がこれをせず、自民党政府も曖昧な政治決着をしてし まった。これを治外法権を認めたようなものであるとして、日本の左翼・革新勢力およぴ各新聞は極めて先鋭な論陣を張った。これは、その限りで正しかった。
そして今回の『窓絵の虎事件』は「外交官」が「強盗」に変わり、「人」が「壷」に替わっただけで、その本質は『金大中氏誘拐事件』と同じである。なのに日本の各新聞はこの観点を忘れて、韓国紙と同列の「取り返し義賊」理論に乗っているがごとくである。
文化庁長官発言の疑問
ところで韓国の良識人は今回の事件をどう考えているのか。韓国の外交関係者は、身柄は引き渡さない(犯罪者引き渡し協定が無いから)が、モノは当然返すという。
このレヴェルではさすがに国際的常識に立っているようである。しかし、警察関係者になると文化財の返還の必要無しとの強硬意見があるという。かの国の公安関係者の法意識には、金大中事件を思い出しても首を捻らざるをえない。
さらに庵主の腑に落ちないのは、学者としてかねがね注目している李御寧氏(文化庁長官)の発言である。
「民衆のレベルでは盗んだものは盗んでもいいという考え方もあるだろうが、国際法律的にみればそんなことはできない。一応堂々と日本に返す。そして(被害者が)自分の意思でこちら(韓国文化庁)にプレゼントするのがハッピーエンドだ。
割り切れない問題が前提にある。盗んだ者を英雄視してはいけない。痛快だという人もいるが正当だという人はいない。骨董品クラスは結構だが国宝クラスの文化財で個人所有のものは、日本側が民間のレベルで故郷に返す。そんな運動が日本側から起こった方がいいと思う。」(発言内容は『アエラ』による)。
ところで一色崇美(本名・落合莞爾)氏がこの本で紹介している陶磁器についてはこんな事件があったそうで。
「東洋の官窯陶磁器展」贋作事件
、、、、、orz
まあ今回はあくまで、日韓間の文化財のゴタゴタをめぐるマスコミや学識者の偏向振りをお楽しみください(ってそれでいいのか?
- マスコミ不信日記 : 【文化財引き渡し】「日韓摩擦を煽るマスコミ」(上)【あくまで参考】 (via ittm) (via chikuri) (via nandato) (via mnak)