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"宗教ってハマるものなの?  よく「宗教に走る」「宗教にハマる」などと言うが、本来宗教とは走ったりハマったりするものではない。この場合の宗教とは、主に「カルト宗教」のことを指していると思われる。今回は、こ..."

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宗教ってハマるものなの?



 よく「宗教に走る」「宗教にハマる」などと言うが、本来宗教とは走ったりハマったりするものではない。この場合の宗教とは、主に「カルト宗教」のことを指していると思われる。今回は、この「カルト宗教」について、考えてみたい。


1.人は何故カルト宗教にはまるのか?
 私の意見はこうだ。「宗教について知らなすぎるから。」
偽札を一番よく発見するのは銀行員だという。本物のお札をよく見知っているから、偽物が分かるのだろう。
 同じように、いくつかある答えの中から正解を選ぶ形式の問題を解くときに、はっきりと正解を知っている場合は、その他の解答の間違いは一目でわかる。しかし、正解に自信がないとどれも本物のように見えてしまい、違いがわからない。

 宗教も同じだ。本物の宗教を知っている人にとって、カルト宗教を見破ることなど簡単だが、そうでない人にとっては、どれもこれも本物の ような気がしてしまう。特に何事かに追い込まれ、精神的、体力的に余裕が無くなっているときなど、むしろカルト宗教の方が魅力的に思えて、その深みにハ マってしまうのだ。


2.偽物をつかむメカニズム
 「安物買いの銭失い」などと言う言葉がある。安物をつかんでお金を失うのもくやしいが、「偽物の宗教」をつかんでしまったら、その失うものは人生だ。慎重にならざるをえない。

 「そんな事をしなくても、宗教自体に関わらなければいいじゃないか。」と言う声が出るだろう。一見もっともな意見だ。だがしかし、カル ト宗教にはまる人とは、「宗教自体に関わらなければいい。」と思っている人と根っこが一緒なのである。どの辺が一緒なのか。「柔軟な心が失われている」と いう点なのだ。
 ガチガチにガードを固めて「宗教全部を寄せ付けないぞ。」と構える姿、「この教えを信じる」という以外になにも選択肢を持たず、カルト宗教にガチガチに縛られている姿。このどちらも柔軟な姿勢とは言えないだろう。
 「カルト宗教に関わりたくない」一心で、宗教全てからガッチリガードを固めていると、ある日カルト宗教の「巧妙な手口」に足を取られることになりかねないのではないか。

 私たちは、「自分さえしっかりしていればカルト宗教にだまされることはない。」と思いがちだが、その自分とはなんだろう。経験や、見聞 で固めた「自我」だろうか。よく「身を固める」とか「立場を固める」などと言うが、このように人間は「固める」ことをしながら生きていくのだ。「固める」 を「組み立てる」と言い換えても良い。ところで、多くの人が「固める」時に芯とする「自我」は、実は極めてあやふやなものだ。このあやふやな「自我」を中 心に自分を組み立てようとすると、これを支えるために、あらゆる方向を固めていなければならない。そうでないと、いつ、どこから組立の甘い部分をぬって自 我が揺さぶるかわからないからだ。

 不安定なものの上に組み立てられた自分が、自我の揺さぶりに耐えられなくて崩壊するーー「アイデンティティ・クライシス」とも言う がーーこれが起こると大変だ。人はなんの後ろ盾もないまま崩壊した状態に長く耐えることが出来ないのだ。「溺れるものはわらをも掴む」とはよく言ったもの で、このような状態では、差し出された手なら、何でも握ってしまう。しかしこのような時に「速攻でなんとかしてくれそう」なものは、まずカルト宗教と疑っ て間違いない。

 自分が崩壊したときに、「速攻で何とかしてくれそう」だからとカルト宗教の手を掴んだら最後、もう崩壊したときの不安定な状態に戻りたくないものだから、しっかりとしがみついて、容易なことでは放そうとはしない。
 これが、「宗教と関わらなければいい」とガードを固めている人が、あんなに嫌っていたはずのカルト宗教にハマっていく仕組みである。


3.偽物をつかまないためには
 自分の崩壊は、自分を自我という不安定な物の上に堅く組み立てている限り、ほぼ免れることができない。例えば、私たちは家を建てるときには、不安定な砂 の上ではなく、地盤のしっかりしたところに建てる。また、大きな地震にも耐えられる建物とは、ガッチリと固定されたものではなく、建物が地震に併せて揺れ る、つまり地震に対応できる柔軟な造りになっていると言う。自我という不安定な地盤の上に、ガッチリと凝り固めて組み立てられた自分は、大きな揺さぶりに 耐えることは出来ないのだ。

 建物は何も起こらなければ立地条件、建築状況が悪くても崩壊しないかもしれないが、人生において、何も起こらないということがあるのだろうか。
 実はこの「何も起こらないということがある」と断言する宗教がある。カルト宗教だ。

 偽物はいつも「○○しさえすれば、この先何も起こらない。」さらに、「☆☆しさえすれば、あなたの願いは叶う。」という甘言を耳元で囁 く。そんなとき、「どんなことをしようとこの先様々な厄災から免れることなど出来ない。」「しかし、どんなに倒れても大丈夫な私にしていただける。」と 言ってはばからない本物の宗教は、やはり魅力に欠ける。アイデンティティ・クライシスに陥って、一刻も早く救われたい、もう二度とこのような崩壊を味わい たくないと思い詰めている者が、どちらを選択したがるかは言うまでもない。心の何処かで、嘘だと判っていても、引っかかってしまいたいのだ。

 ところで、本物をよく知っている人は、どんなときにでも偽物に魅力を感じない。言っていることの裏側が、初めから見えるからだ。誘拐犯が甘いことを言って誘惑しても、ある程度物事がわかっている子供はついていかないようなものだ。
 更に、本物をよく知っている人は、自分の自我が「浮き雲のごとき」ものであると自覚しているので、そんなものの上にあえて自分を組んでいこうと はしない。「どんなに倒れても大丈夫な私にしていただく。」というのは、倒れる先がしっかりとした地盤であるという安心感をいただくことなのだ。安心でき るしっかりとした地盤に自分を組み立てる時には、それほど頑なな造りにはしない。いくら崩れても大丈夫だから。そして、知らず柔軟な造りになっていくの だ。これを重ねているうちに、どんなことが起こっても崩れない自分が、組み立てられていくのだ。柔軟な心とは、地盤への安心感から生じるものである。そし て、その安心とは、本物の宗教を通していただけるものなのだ。

 偽物をつかまない方法。それは、本物をよく知ることに他ならないのだ。


4.本物の宗教とは
 一説では全国には宗教法人が26万あると言われている。こんな中からどれかを選べと言われても、困ってしまう。たとえ26万を100まで絞ってもらったとしても、ほぼ不可能だろう。生涯かかっても、ひとつ見極められるかどうかである。
 しかし、問題は宗教の数ではなく、このなかに多くの偽物が混じっていることだ。偽物をつかまないためには、本物をよく知ることが大切だと述べたが、そのためには先ず本物にたどり着かなければならない。

 偽物の宗教は、私の願いを叶えてくれると言ってくる。うまくかなうときも、叶わないときもある。ありとあらゆる災害から身を守ってくれ ると言う。そう言われれば、災害から遠ざかっているような気もするが、災害に出会ってしまうこともある。しかし仮に願いを全て叶えてくれ、あらゆる災害か ら身を守ってくれる力があったとしても、それはやっぱり偽物なのだ。
 「そんなばかな。」と思うだろう。しかし、願い事が何でも叶うということは、結局は人間を不幸にしてしまうのだ。

「こうだったらいいなあ。」という願いはどこから来ているのだろう。それは、「浮き雲のごとき」不安定な自我の発するものなのだ。自我は 満足することを知らない。一つ願いが叶えば、もうひとつ、さらにひとつ、もっともっとと増長し続け、貪ることを止めない。自我が増長すればするほど、人は 柔らかな心を失っていき、そしてついには破滅してしまうのだ。
 古代ペルシアの呪いに、「おまえの願いがたちどころに叶うように。」というものがある。古代ペルシア人は、自我の増長の先にある破滅をよく知っていたのだろう。

 本物の宗教は、私の願いをかなえてくれるものではない。あらゆる災害から身を守ってくれるものでもない。しかし、何もかなわなくても、 何が起こっても平気な私にしてくださるのだ。自我という物の正体を見せてくれ、それに振り回される姿に気づかせることによって、真実に頼れるものへと導い てくれるのだ。

 本物の宗教と偽物の宗教の違いとは、その行いや考えがなにを基準にしているかで分かれる。言ってみれば人間の欲望を助長させる宗教は偽物で、その欲望がいったい何であるのかを直視させる宗教は本物だ。そして、偽物の宗教にハマった人の心は頑なに、もろくなっていくが、本物の宗教に出会った人の心はやわらかく、ある意味ふてぶてしくなっていくという特徴もある。

 人はだれでも幸せになりたいものだ。しかし、自分の考える幸せが何であるのか、ということについてはあまり深く考慮しない。カルト宗教はそんな心の隙間にそっと忍び寄ってくるのだ。



☆☆気をつけよう!甘い言葉に深いわな~偽物に共通する4つの特徴~☆☆
1.生活が楽になるという
2.病気が治るという
3.教祖が覚者である・生仏であるという
4.私の願いを聞き届けてくれるという

このように言ってくる宗教はまず偽物です。ご注意を

Written by たまご


- 宗教ってハマるもの? (via nyama) (via wawawa8888) (via mnak)

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