"大宮の盆栽村、広島と愛知県の岡崎、三大盆栽産地ですね。これを全部取材した上で、残る場所が1カ所だけあるんです。皇居です。皇居の中に実は盆栽置き場というのがあって、吹上御所の横ですけど、「そこを見ないと盆..."

大宮の盆栽村、広島と愛知県の岡崎、三大盆栽産地ですね。これを全部取材した上で、残る場所が1カ所だけあるんです。皇居です。皇居の中に実は盆栽置き場というのがあって、吹上御所の横ですけど、「そこを見ないと盆栽は語れない」と、盆栽界の人たちはみんな言っているんです。どうやったら皇居の盆栽を見られるかと思いますよね。

　手紙を書くんです、宮内庁に。「日本の盆栽の豊かな文化性について取材をしたいからどうしても皇居の中の盆栽を見せてくれ」と。なぜかオーケーが出るんです。そうすると、宮内庁の中から吹上の御所まで行くんですよ。連れていってくれるんです。

　巨大な盆栽置き場がありまして、面積も広いんですけど、盆栽も巨大なんです。2メーターぐらいあるんですよ。盆栽じゃなくて鉢植えです。松があるんですけど、徳川家光が愛した松だと言うんですよ。だからもう500年以上たっているんです。

　そういうのを撮影して、キャプションとかテキストを書かないといけません。当然、山のように本を読んでいますから、当時、日本の盆栽の歴史を語る3人のうちの1人は私だったというぐらい。でも、（盆栽に）興味があったかというと何もないんですよ。やり遂げることに面白さはあったんですけど、それだけですね。