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Channel: Peckori Detuned.
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"確かに浜崎は速水氏が指摘するように山口百恵、中森明菜、工藤静香と続く「笑わない歌姫」の系譜の歌手だろう。そして消えかけていたヤンキー文化を たった一人で再編成したアイコンだったといえる。でもそんな浜崎が..."

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確かに浜崎は速水氏が指摘するように山口百恵、中森明菜、工藤静香と続く「笑わない歌姫」の系譜の歌手だろう。そして消えかけていたヤンキー文化を たった一人で再編成したアイコンだったといえる。でもそんな浜崎が「小室ソングで一曲」とカヴァーの企画をもちかけられたときによりによって「SEVEN DAYS WAR」を選曲したという事実に皆さんなにも思わないか? なにしろ小室哲哉は近田春夫に「電脳ヤンキー」と命名されたほどのヤンキーマインドの持ち主で もある。浜崎のヤンキーイメージに合う小室ソングもあっただろう。ちなみに小室は80年代にヤンキー歌手にも楽曲を提供している。中森明菜「愛撫」や中山 美穂「50/50」などだ。ナゼ、ヤンキー要素皆無の「SEVEN DAYS WAR」なの?」

司会者「ちょっと待って。ヤンキー音楽ってどう定義するの」

kenzee「ヤンキー音楽の源流は演歌に求めることができるのだが、簡単に言うとヤンキーソングは色恋の話しかしない。山口百恵も工藤静香も BOOWYもシャ乱Qも色恋の話しかしないのだ。その意味では西野カナは忠実にヤンキーソングのルールを守っているといえる。しかし、再ヤンキー化代表、 浜崎はデビュー当初からヤンキーソングの掟破りを犯している。トラウマや内面の葛藤を描き、幸せそうな恋人達もいつか別れを迎えるだろうとか、男の武勇伝 ウザイとかヤンキーソングの世界においては異端でありつづけている。浜崎のフォロワーが現れないのも納得である。また、ヤンキーソングは「早く一人前にな る」「人から認められるようになる」ということを重要視する。ヤンキーソングによくみられる表現として「オマエを守りたい」というものがあるがこれは「女 性を守る→それだけの経済力を身につける→つまり、自立し、一人前になる」という背景を踏まえた表現であり、ヤンキーソングとは成熟を志向した世界なのだ とわかる。しかし、浜崎の歌詞とは当初より、未来への展望という感覚が希薄なもので、「美しい過去→やがて失われる」というコンテクストで展開することが 多い。



- りえかわいいよりえ(浜崎あゆみ「SEVEN DAYS WAR」): 文芸誌をナナメに読むブログ(書評) (via nagas)

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