産経新聞に掲載の中国特派員によるコラム「北京春秋」の十月十三日のテーマは「お人よしな民主党政権」。
それによると在日中国人、徐静波氏は「尖閣諸島付近で起きた中国漁船衝突事件など日中間に問題が発生した際、日本のメディアに登場し中国の立場を説明する中国人ジャーナリスト」で、「2008年4月に北京五輪の聖火リレーが長野県を通過したとき、約5千人の在日中国人を集めて『抗議から聖火を守る行動』を主導した活動家」だが、その「9月9日付のブログ」を読んで、「思わず目を疑った」そうだ。
なぜならこのような人物が「事実上の『首相選挙』だった9月14日の民主党代表選で、全国で約34万人しかいない投票権をもつ人の中に、自身が含まれていたことを読者に報告していた」からだ。
これを読み、私もやはり「このような人物が」と驚いた。そこでさっそく徐静波氏のブログ「徐静波 品味日本」を開き、問題の記事を読んでみた。
中国語の記事だった。タイトルは日本語に直すと、「私はなぜ小沢一郎に一票を投じることにしたか」。
その気になる部分を以下のように抄訳しよう。
——— 九月十四日に日本の与党民主党の代表選挙が行われるが、実際には日本の首相を選ぶ選挙だ。候補者は二人で、現代表の菅直人首相と民主党創始者の小沢一郎だ。
———四年前、仲のいい国会議員によって民主党支援者の列に加えられた。支援者は国籍の制限を受けず、外国人でもなれると聞いた。
———意外にも民主党は去年、与党となった。そして今回の代表選は外国人支援者も投票に参加することが許されることになった。つまり物語は「外国人が日本の首相を選出する」に変わったのだ。
———選挙会場では記者の友人たちに外国人が日本の首相選びで投票をする最初の画期的なところを見せようと思ったが、支援者の投票は郵送で行われることになった。
———菅直人首相とは友情関係もあるし、中国系の蓮舫など、知り合いの議員もみな菅直人の支持者だ。だから菅直人に投じるべきだったのだが、私は小沢一郎に入れることに決めた。
———小沢一郎は日米安保体制を改変し米国との対等な関係を求め、日米中三国の二等辺三角形関係を実現しようとしている。
———米国にノーを言える日本で唯一の政治家だ。鳩山首相(当時)が五月に米軍普天間基地の島内移設で合意したとき、必ず沖縄県民と米国政府がともに受け入れられる案を出すべきだと主張した。
———小沢一郎は、時には中国に対して遠慮ない批評を加える。たとえば今回の選挙中、「中国は全世界で資源を争奪している」と言ったり、「釣魚島は従来中国に属したことはない」と言っている。しかし日本一国の政治家としては、こうした主張も正常といえる。
———私が見たところ、小沢一郎は平等な対話を通じて中日両国の真誠な合作を希望する、日本政界では少数の政治リーダーの一人だ
———恩師である田中角栄元首相の遺志を継承し、二十数年来毎年数百人から数千人を連れて中国を友好訪問している。わたしはやはり彼は本当に中日友好を望んでいると思う。
日本の首相選挙ともいうべき代表選で、日米安保体制を弱体化し、日本を中国好みの国に変えてくれそうな小沢一郎氏に、この中国人は故国中国のため、清き一票を投じたと言うわけだ。
なおコラムによれば「同年5月に訪日した胡錦濤国家主席は徐氏と会見し、『祖国はあなた方の貢献を決して忘れない』とねぎらった」そうだ。
そこでコラムは「そういう人物に『首相』を選ばせるとは、民主党もお人よしすぎる」と皮肉るわけだが、実際には「民主党は外国の浸透工作に対して無防備すぎる。もしや敢えてそうしたものを迎え入れているのではないか」と警鐘を鳴らしているのだと思う。
産経 【外信コラム】北京春秋 お人よしな民主党政権
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101013/chn1010130417000-n1.htm
徐静波氏のブログ(漢語) 我为什么决定投小泽一郎一票?
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4cd1c1670100kway.html
- 産経も驚き!民主党代表選で投票した中国人の手記: 2010/10/13/Wed (via nandato)