“石破氏は、まず、菅直人首相が所信表明演説で外交について「国民一人ひとりが自分の問題として捉え、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければなりません」と主張した点を取り上げ、菅首相にお礼を言わせます。そして、その上で、
憲法上、外交権は内閣に所属している
ことを強調し、いい加減な反論を試みる菅首相の言葉を「内閣の職務に関する首相の解説はどんな憲法の本にも書いていない」と切って捨てます。さらに、返す刀で、仙谷由人官房長官に、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件と中国人船長の逮捕が重大な外交問題に発展するという認識があったかどうかを尋ね、こう言わせました。
当然ながら、外交問題になるなと予測していた。
その上で、仙谷氏から、検察官の裁量に任せる「起訴便宜主義」の考え方のもとで、日中関係に配慮したという検察の判断を「諒(了)とした」というこれまでの主張を再確認させます。どうやら、これらの流れは石破氏の想定通りのことだったようで、ここで石破氏はこうたたみかけます。
起訴便宜主義で検察官に裁量を与えているのはなぜか。起訴しない方が犯罪人の更正にとってよい場合がある。あるいは、訴追しなくても社会秩序が保たれる。この二つだ。今回は一体どうなのか。
そして、石破氏は今回の事例がいずれにも当て嵌まらないことを論証しました。さらに、中国人船長がすでに中国に帰っている上、日中間で犯罪人引き渡し条約が結ばれていないこと、刑事事件の第一審では必ず被告人が出廷しなければいけないがそれが無理なことを指摘し、こう意味づけました。
処分保留にした時点でもう公判は開けないという決定を成したに等しい。
これに対しては、仙谷氏もいやいやこう率直に認めざるを得ませんでした。
事実上、そういうことになるだろうと私も思う。
で、石破氏はこの点を確認した上で、政府・与党が渋っている衝突ビデオの公開に話を移します。仙谷氏たちが、これまでビデオを公開しない理由として裁判の証拠物件だと繰り返していた点の矛盾をついたのです。
官房長官はいま、この先、船長を訴追し、公判が開かれる可能性はほぼないと思われる答弁をした。それなら、なぜ公開しないのか。
次に石破氏はロッキード事件当時の議事録を全部読んだと述べた上で、当時の法務省刑事局長、法相、内閣法制局長官が次のように国会で繰り返していた点を指摘します。検察にすべてを追わせることの無理を押さえた形です。
検事には、検察には判断できない場合は当然あるだろう。
押しまくられた仙谷氏はまた、次のように認めてしまいます。
検察当局が判断を、あるいは相談を持ちかけてきた場合は、相談に乗らなければならないと考えている。
ここまできたらもう、お決まりの「現場が適切に判断するだろう」という無責任な答弁は通用しません。さらに、石破氏が「公開するかしないかの基準は、公開しないことで何が守られますか、ということだ。出さないことによって守られる公益があって、だから出さないのだという説明をすべきだと言っている」と追及すると、とうとう仙谷氏はこう言っちゃいました。
出さないなんて一言も言ったことはありません!
仙谷氏はその後も、「国会に提示することはやぶさかではないが、時期がいつか、さらに進んで、どのような開示が行われるか考慮、配慮しなければいけない」などと四の五の言っていましたが、予算委はテレビ中継され、国民は見ていました。これで出さないなんてことは許されませんね。”
- 尖閣ビデオ公開問題・石破氏の追及と仙谷氏の答弁:イザ! (via ittm)
憲法上、外交権は内閣に所属している
ことを強調し、いい加減な反論を試みる菅首相の言葉を「内閣の職務に関する首相の解説はどんな憲法の本にも書いていない」と切って捨てます。さらに、返す刀で、仙谷由人官房長官に、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件と中国人船長の逮捕が重大な外交問題に発展するという認識があったかどうかを尋ね、こう言わせました。
当然ながら、外交問題になるなと予測していた。
その上で、仙谷氏から、検察官の裁量に任せる「起訴便宜主義」の考え方のもとで、日中関係に配慮したという検察の判断を「諒(了)とした」というこれまでの主張を再確認させます。どうやら、これらの流れは石破氏の想定通りのことだったようで、ここで石破氏はこうたたみかけます。
起訴便宜主義で検察官に裁量を与えているのはなぜか。起訴しない方が犯罪人の更正にとってよい場合がある。あるいは、訴追しなくても社会秩序が保たれる。この二つだ。今回は一体どうなのか。
そして、石破氏は今回の事例がいずれにも当て嵌まらないことを論証しました。さらに、中国人船長がすでに中国に帰っている上、日中間で犯罪人引き渡し条約が結ばれていないこと、刑事事件の第一審では必ず被告人が出廷しなければいけないがそれが無理なことを指摘し、こう意味づけました。
処分保留にした時点でもう公判は開けないという決定を成したに等しい。
これに対しては、仙谷氏もいやいやこう率直に認めざるを得ませんでした。
事実上、そういうことになるだろうと私も思う。
で、石破氏はこの点を確認した上で、政府・与党が渋っている衝突ビデオの公開に話を移します。仙谷氏たちが、これまでビデオを公開しない理由として裁判の証拠物件だと繰り返していた点の矛盾をついたのです。
官房長官はいま、この先、船長を訴追し、公判が開かれる可能性はほぼないと思われる答弁をした。それなら、なぜ公開しないのか。
次に石破氏はロッキード事件当時の議事録を全部読んだと述べた上で、当時の法務省刑事局長、法相、内閣法制局長官が次のように国会で繰り返していた点を指摘します。検察にすべてを追わせることの無理を押さえた形です。
検事には、検察には判断できない場合は当然あるだろう。
押しまくられた仙谷氏はまた、次のように認めてしまいます。
検察当局が判断を、あるいは相談を持ちかけてきた場合は、相談に乗らなければならないと考えている。
ここまできたらもう、お決まりの「現場が適切に判断するだろう」という無責任な答弁は通用しません。さらに、石破氏が「公開するかしないかの基準は、公開しないことで何が守られますか、ということだ。出さないことによって守られる公益があって、だから出さないのだという説明をすべきだと言っている」と追及すると、とうとう仙谷氏はこう言っちゃいました。
出さないなんて一言も言ったことはありません!
仙谷氏はその後も、「国会に提示することはやぶさかではないが、時期がいつか、さらに進んで、どのような開示が行われるか考慮、配慮しなければいけない」などと四の五の言っていましたが、予算委はテレビ中継され、国民は見ていました。これで出さないなんてことは許されませんね。”
- 尖閣ビデオ公開問題・石破氏の追及と仙谷氏の答弁:イザ! (via ittm)