15日から五中全会、胡錦濤は尖閣問題で追い詰められるか?
尖閣衝突は江沢民・上海派・軍閥がしかけた謀略だった可能性が浮上
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10月15日から第十七期第五回中央委員会(五中全会)が開催される。四日間の日程、18日に人事発表もあると観測されている。
第一に胡錦濤主席がようやく全権を掌握し、江沢民一派(すなわち上海派)に最後のとどめを刺せるか、どうかという状況がどうなるか。
とくに軍の上層部を入れ替え、軍内の江沢民派をなんとか少数派に追い込み、他方で長老らの影響力をそぎ落としてきた。それでも朱容基、李鵬、李瑞環らはそれなりの党内影響力を保持しているが、かれらは江沢民との距離をおく。
飴とむちで胡錦濤が採用した作戦は、これら大幹部の息子たちの高位抜擢だった(たとえば李鵬次男は山西省常任副省長)。
第二に温家宝と共産主義青年団(団派)との協調路線は「親民路線」(ポピュリズム)を高揚させ、これで左派、原理主義者らが陣取る新華社、人民日報ならびに中央宣伝部の力量を、ネットを活用することで相対化させてきた。
この主流派の「平和台頭」「和諧社会」キャンペーンをぶち壊し、左派をまき込む作戦を江沢民派がとるのも上海前書記=陳良宇逮捕、十八年徒刑への逆襲劇である。
貧困知識人層に毛沢東主義復活の兆しがあるのは左派の巻き返し、それに乗じた太子党の一部である。
各地に毛沢東銅像をあたらに建立している地域は、こうした政争が背景に潜む。
第三に太子党人脈の日和見主義への転落を助長し、習近平がたとえ次期主席に就任しようとも、胡、温の多大な影響力を温存させるべく、省単位、各地方政府行政単位、各省の局長クラスにいたるまで共青団人脈を配置して、太子党の周りを取り囲んできた。
こうなると太子党もまた利権優先の上海派との距離をとるようになる。
第四は一匹狼的存在。
跳ね上がり薄き来は庶民のポピュリズムに訴えたが党内からは逆に反発はげしく、うきあがってきた。薄は重慶書記として地方改革に辣腕を振るっても中央に彼を支持する人脈を築いていない。
汚職摘発はネット上でたとえ若者の支持を得ても、党のヒエラルキーからは疎んぜられるわけである。
かくして百家争鳴、各派繚乱、侃々諤々の中で江沢民一派は起死回生の謀略をしかけた。軍の謀略機関をそそのかし、尖閣漁船衝突事件を演出して日中間にも緊張を醸しだし、胡・温執行部を窮地に追い込んだのだ。
これで、次期主席に習近平を確実なものとさせるばかりか、各地での上海派温存の取引を賭けている。
最新の中国からの分析である。
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