Quantcast
Channel: Peckori Detuned.
Viewing all articles
Browse latest Browse all 55118

"最近はよく再放送のアニメ「美味しんぼ」を観ている。 富井副部長のウザさとか、快楽亭ブラックのインチキ臭いしゃべりとか、おめかしした栗田さん(頭にバカでかいリボンをつけていた)など見所は尽きないのだが、ま..."

$
0
0
“最近はよく再放送のアニメ「美味しんぼ」を観ている。
 富井副部長のウザさとか、快楽亭ブラックのインチキ臭いしゃべりとか、おめかしした栗田さん(頭にバカでかいリボンをつけていた)など見所は尽きないのだが、まあとにかくどの話にも共通するのは「美味い食べ物があらゆる揉め事を解決する」ということだ。

 世の中の揉め事はすべて不味い食べ物が発端であり、それを解決するのは美味い食べ物。
 「美味しんぼ」の物語は、多かれ少なかれそういう原理が貫かれている。
 家庭の不和も食い物のせいだし、子供がグレるのも、スポーツ選手の不調も、会社間のトラブルも食い物のせいだ。
 そして美味しい食べ物はすべてを解決する。

 ふと漫画「孤独のグルメ」における、あるシーンを思い出す。
 主人公のゴローが、定食屋に入ってメシを食べるが、その眼前で店主が店員(中国人)に怒鳴り散らしている。
 ゴローは店主に向かって「あなたのおかげでメシが美味くない(食えない)」的なことを言い、激昂した店主はゴローに殴りかかるが、逆にゴローは謎の体術で店主の関節を極める。
 そこへ、さっきまで怒られていた中国人が「それ以上いけない」とゴローを制止する。
 うろ覚えだが、そんなようなシーンがあった。

 要するに、いくら美味しかろうが食べ物はなにも解決しない。
 食べ物を味わう以前の問題というやつが、そこには厳然と存在する。
 食ったメシは美味くても、ただそれだけ。
 仕事の調子が上向くわけでもないし、恋人が戻ってくるわけでもない。
 そういう食べ物の無力さを描いているという点で「美味しんぼ」とは正反対だなと思う。”

- 食べ物の力について - randamHEXA (via yuria)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 55118

Trending Articles