米ODA事業から、中国国有企業締め出しへ - MSN産経:
米国の政府開発援助(ODA)による諸外国での建設計画に、外国の国有企業は参入できないという新しい方針が30日、打ち出された。アフリカでのインフラ建設を中国の国有企業が米国の資金で請け負うことに米議会が反発、この新方針が決まった。
米政府の対外援助機関「ミレニアム・チャレンジ公社(MCC)」は今後、同公社が開発途上国に無償提供する援助資金(年間約10億ドル)による建設計画に、外国の国有企業が契約できないとの方針を示した。
MCCは2004年にブッシュ前大統領によって設立され、従来の対外援助機関「米国国際開発庁(USAID)」とは別に対テロ闘争などを考慮し、経済開発による貧困救済を主眼としてきた。インフラ開発として道路や鉄道、空港などの建設を進め、その建設には各国企業に入札の機会を与えた。これまで32億ドルのうち、9契約計3億2000万ドル分を中国企業が落札。この中国企業のなかには国有企業も多かったという。
この状況に対し、米議会では上院外交委員会のジム・ウェブ議員(民主党)らが「中国政府が国有企業を通じ米国の利益をも侵害する形でアフリカに進出し、政治的影響力を拡大する動きに米政府が公的資金を提供することはおかしい」と抗議。同議員によると、MCCの援助資金のうち中国の国有企業の「中国水電」が計1億5000万ドルでマリに空港、タンザニアに道路を、「中国中鉄」が4200万ドルでガーナに高速道路をそれぞれ建設した実例などがある。
MCCの今回の方針は特に中国を名指ししてはいないが、他の諸国の国有企業の参入は少なく、明らかに中国の活動を抑える措置だといえる。