、店の接客やサービスでイヤな思いをしたときに発せられるセリフに「この店で二度と買うものかあああぁぁぁっ」というのがある。いった本人は「は いっ、この店の売り上げが消えた!俺が買わない分だけ売り上げが消えたよ!!」と“意気揚々”だが、いわれた店は痛くもかゆくもない。かえって労せずして 面倒な“クレーマー問題”を処理できて大いに助かることになる。
すべてがそうとはいわないが、一度クレームをつけた客は、その後も繰り返し突撃してくる傾向がある。そのたびに浪費しなければならない時間と労力 を考えれば、クレーマーの自主退場はかえって望ましい。そもそも、クレーマー1人の購買力が販売店の売り上げや利益に及ぼす影響は、わずかに過ぎない。ク レーム処理に費やされる人と時間をほかの客にかければ、「二度と買うものか」と退場したクレーマーの売上はいくらでもカバーできる。
ただし! インターネットが媒介となって広がる“口コミ”の感染力が破壊的な猛威を振るう現代では、この理屈が(特に日本国内において)通用しなくなってきた。客と 販売店のトラブルは即座に拡散していくため、その影響力も大きい。ユーザーに不利益な製品(特に価格設定)やサービスの問題点が表面化しやすくなったとも いえる。
ただ、口コミサイトに投稿されるクレームリポートは、ほとんどが“客”側の視点だ。その主張が度が過ぎる“モンスターカスタマー”という存在も広 く社会に知られるようになり、客側の一方的な言い分が好意的に受け入れられるわけでもなくなってきた。「販売店から理不尽な扱いをされた」と口コミサイト に訴えたら、「あなたの言い分と手口のほうがあまりにも理不尽」と、客の側が非難されて販売店が擁護されることも少なくない。
いままで潜在化していた理不尽なクレーマーが、口コミサイトの登場で多くのユーザーの目にさらされることで、ユーザーたちによる自浄作用が働いているといえなくもない。興味深い現象だ。
”- 牧ノブユキの「ワークアラウンド」:クレーマー!自爆しろ!! (1/2) - ITmedia +D PC USER (via petapeta)