この期に及んで菅政権を擁護しているのは利害関係べったりの「お仲間」だけである。憲政史においては、いくつもの倒閣運動があったが、菅政権倒閣運動は、保守もリベラルも、強硬派も穏健派も、改革派も反改革派も、政治オタクもノンポリも関係なく、幅広い層が一致して行うことができる、非常にめずらしい事例と言える。それだけ事態は深刻なのだ。菅政権の代わりはいくらでもいる。今すぐにでも菅政権を退陣させなければならない。
なぜ菅政権を今すぐ打倒する必要があるのか。それは、無能者に対中「戦後処理」をさせてはいけないからだ。厄介なことに、菅政権の無能者どもは、自分たちが無能だという自覚がない。そしておそらく、今回の一件で、わが国が「敗戦」したという自覚もなければ、自分たちが現在、厳しく長い「戦後処理」の過程に立たされているということにすら気づいていない。
ゲームにおいて「敗戦」した場合には、その影響をなるべく小さくするために、すぐさま「戦後処理」に全力を注ぐ必要がある。戦略を用意してゲームを全力で戦った者であれば、たとえ「敗戦」したとしても、「戦後処理」において善戦することができる。しかし、菅政権の無能者どもには、絶対に「戦後処理」などできない。ゲームを全力で戦えなかった者に、「戦後処理」ができると思うのは、無能者への白紙委任を許すという意味で、無能者本人よりも罪の重い判断ミスである。
このまま菅政権に「戦後処理」をさせれば、必ず第2、第3、第4の「敗戦」が訪れる。中国がすでに切っているカード、さらにはこれから追加で切ってくるであろうカードを目の前にして、また戦略もなく目先の「大人の対応」(by片山総務大臣)とやらに終始し、「戦後処理」においても重大な損害を出すことは目に見えている。これは決して杞憂ではない。すでに「戦後処理」の第1歩で、無能者どもはつまずいている。
「政府筋は25日、『尖閣諸島は日本の領土だ。日本の法律にのっとったことなのに、謝罪要求とはどういうことなのか』とうめいた。
というのも、中国人船長の釈放を決めた24日、首相官邸内には、日中の関係改善に直ちにつながるという楽観論が広がったからだ。中国側の強硬姿勢は、『菅外交』の見通しの甘さを露呈する形となった。(略)政府・民主党内では、『船長というカードを手放したことで、中国にやりたい放題やられる恐れがある』(民主党関係者)との警戒感も出ている」(読売新聞 )
わが国には、非常に豊かな政治資源がある。地方議会から国会に到るまで、心ある「普通の政治家」がたくさん存在する。そのような豊富な人材がありながら、どうしてよりによって無能者どもに国政を委ねなければならないのか。菅政権を1秒でも早く倒して、「普通の政治」を取り戻すことが求められている。心情的には、菅、仙谷、前原の3氏は、政界永久追放にしてもらいたいくらいだ(ついでに、私だったらもっとうまくやれた 、などとほざいている鳩山氏も)。
もちろん、菅政権の無能を見抜けなかったわれわれ国民にも責任がある。私も、内政においては菅政権の「改革つぶし」を批判してきたが、「多くの有権者が望んだ政権交代だし、あと3年間は批判しつつも見守らないと……」とノンキなことを思っていた。今回の件でも、「弱腰外交を脱却して、覚悟を決めて外交をする気になったのだから、日本国民として菅政権を支えなければ……」と愚かにも考えていた。実際には、改革がどうとか、外交がどうとかいう以前の話で、弱腰外交すらまともにできない無能者集団であることが明らかになった。私自身の不明を深く恥じるとともに、無能者どもに国政を預けてしまったことについては、国民自身が責任を持って行動し、菅政権を打倒しなければならないと強く感じているので、お許しいただきたい。現在のわれわれだけでなく、子や孫の命運、安全保障まで、無能者どもにこれ以上握らせるわけにはいかない。
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無能者に「戦後処理」を白紙委任することになりかねない危機的状況では、民主党か自民党か、といった対立は、3年後の衆参同日選挙まで、ひとまず棚上げするべきだろう。そして、速やかに大連立を行って、救国内閣を組閣。挙国一致で「戦後処理」を進めていく必要がある。同時に、日米同盟を立て直し、「日中友好」ではなくドライな日中関係を安定的に築いていかなければならない。
その際、首相は誰が適任か。これが平時であれば、私もノンキに改革派として「渡辺喜美氏とかなら面白そう」などと言っていたかもしれないが、現在はそういう局面ではない。同じように、ノンキに「ここは小沢先生しかいない!」と民主党小沢派が言うのもタイミングとしては悪い。谷垣氏なら、責任ある弱腰外交をきっちりこなしてくれるに違いないが、顔としては弱い気がする。というわけで、石破救国内閣が最善ではないかと考えている。改革派としては、内政的に石破氏には不満があるけれども、何度も言うように、現在は改革よりも安全保障を最優先する局面だ(こういう状況に追い込んだという意味では、皮肉にも菅政権の「改革つぶし」は成功したと言えるのかもしれない)。
石破氏であれば、いざとなれば弱腰外交を実践する能力をちゃんと持っているし、交渉において筋を通すこともできる。おそらく数年間はかかるであろう「戦後処理」を、粘り強く戦い抜いてくれるだろう。と同時に、「銃後」にいる日本国民に向かっても、理路整然と、しかし同時に力強く、メッセージを発してくれるに違いない。石破氏は、菅政権のように威勢のいいことを言ったりしないが、決して「くそリアリズム」に開き直ることはないし、後付けで「大人の対応」(by片山総務大臣、2回目)などとみっともないことも言わない。(もちろん、民主党から「普通の政治家」を首相として選び直し、ねじれ国会も確実にうまく乗り切れるというのであれば、大連立でなくともいいが、そんなリスクにもう一度賭けてみる余裕があるのかどうか)
官邸を占拠し、「自治ごっこ」をしている菅政権という無能者集団を排除せよ。遊びはもう終わりだ。現在のわが国に必要なのは、石破氏をはじめ、全国で地道に活動されている「普通の政治家」たちである。
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