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Channel: Peckori Detuned.
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"新宿に行くと、この麻布茶房と言う甘味処に行くことが多いです。 まあ普通に和菓子が好きなんですけども、たぶん私が麻布茶房に行きたがる理由はこのエレベーターにのりたいからというところが大きいように思われま..."

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新宿に行くと、この麻布茶房と言う甘味処に行くことが多いです。

まあ普通に和菓子が好きなんですけども、たぶん私が麻布茶房に行きたがる理由はこのエレベーターにのりたいからというところが大きいように思われます。

7階に例の甘味処。

8階にTUTAYAのアダルトフロアがあるんですよね。

6階の謎の美容室に入っていく人を見たことがありませんし、5階まではだいたいみんなエスカレーターでのぼってしまうので、このエレベーターに乗る人というのは甘味処でスウィートな休憩をとる乙女か、18禁フロアで延々パッケージの裏を眺める男子のみということになります。


私といっしょにエレベーターに乗り合わせた男性が恥ずかしそうに8階のアダルトフロアのボタンを押すのがいいのです。

私はイセタンでの買い物に疲れた足を休め、紀伊国屋本店で買った早川文庫と共にクリームあんみつで休憩。

日曜日の女子のお手本にしたいような一日です。

対して、男性は日曜日の真昼間からアダルトフロアで下着の中をむれむれさせるのです。

恥ずかしいですね。

情けないですね。

この格差!

この優越感!!

繁華街のど真ん中でアダルトビデオを借りてしまう男性というのは、たぶん地元のレンタルビデオ屋さんでは知人に会う可能性も否定できないと、わざわざ新宿まで出てきてくるくらいなのですから相当にシャイな人が多いようです。

相当にシャイな人がアダルトDVDを借りる直前と言うのはやはり相当にテンパっているようで、彼らの中では「このエレベーターに乗る人=アダルトフロアに行く人」という図式ができあがっています。

最初は私のことを「うわっ、このひと女なのにそんな堂々とエロDVD借りるだなんて!! ち、痴女!!」とか好奇心だらけの目線で視姦してきますが、私が涼しい顔で甘味処行きのボタンを押すと、途端にしょぼくれてしまうのがたまらないのです。

今日も私と、荒川良々似の童貞くさい男子と、ユナイテッドアローズな感じのおしゃれ青年(お互い知り合いではありません)が件のエレベーターでいっしょになりました。


童貞男子はやはり8階のボタンを押すのがとても気まずそうで、おしゃれ男子が自分のかわりにボタンを押してくれるのをじっとりと待っているようです。

しかしあいにく、ボジション的にはどう考えても荒川良々がボタン係。


意を決した荒川良々は、なんと片手でボタン周辺を覆い隠し、そして目指す8階、アダルトフロアのボタンを押したのです。


それは、食後に爪楊枝を使っているのを手で隠す人のように、そんなに褒められた行為をしているわけじゃないのに、手でそれとなく隠すだけでむしろスマートなふるまいをしているかのような雰囲気を醸し出しておりました。


「ふふふ、これで僕がどこへ向かうか分からないだろう愚民どもが!!」

とでも言いたげに自信満々の荒川良々。


しかし、彼が手を離した途端に想定外のことが。

なんと彼が押した8階のボタンがピカピカと光っているのです。

「僕はこれからエロDVDを借ります!!」とでも宣言するようにピカピカと光っているのです。

隠していたからこそ何倍増しかで恥ずかしいです。

エレベーターいっぱいに「あいたたたたー」という空気が流れます。

下半身に血が集中している男子は、なんでこうもアホなのでしょうか。


荒川良々がアホなことをしたせいで、何の罪もないおしゃれ青年までアダルトフロアへ行く恥ずかしさが増してしまうことになってしまいました。

さすがに同情してしまって、私もいっしょにアダルトフロアで降りれば彼らの羞恥心も幾分かはやわらぐのだろうか、などと考えていた矢先、おしゃれ青年がさらにだめ押しで7階の甘味処のボタンを押します。

男性がひとりで甘味処というのはなかなかに入りづらいものだと思っていましたが、おしゃれ青年ならば確かに許される気がします。

というか、私とおしゃれ青年が甘味処で休憩をとるカップルという雰囲気になってしまいました。

甘味処へ行くカップル+AVを借りる童貞。

これは荒川良々、大ダメージです。

インポになってしまうかもしれません。

三者三様の気持ちを乗せたまま、甘味処へ到着。

私とおしゃれ青年がいっしょに降り、荒川良々ひとりを載せたエレベーターはアダルトフロアへ向かって動き出します。

今頃、荒川良々はどんな顔をしているのでしょうか。

振り返って確認する勇気はありませんでした。

優越感を抱くためにエレベーターに乗ったというのに、なんだかしんみりした気持ちになりながら私は甘味処へ向かっていったのでした。

と、ここでエレベーター物語は完結するものかと思っていたら、私といっしょに降りたおしゃれ青年は、あろうことかすぐ横の階段で颯爽と8階へ向かう姿が目に入ったのです。
結局おまえもアダルトフロアに行くんじゃねーか!!


なんというフェイント。

童貞男子とおしゃれ青年の、人としての格の違いを見せつけられることになりました。

8階で、おしゃれ青年と出会った童貞少年は、はらわたを煮え繰り返しつつもこれでひとつ成長を遂げることになるでしょう。

新宿TUTAYAのエレベーターの中では日々、様々なドラマが繰り広げられているのです。

というようなことを考えながらクリームあんみつを食べるとおいしいです。



- 2009年04月27日のブログ|峰なゆかのNow You Can☆ (via rightstaff) (via nagas) (via 00a) (via plasticdreams, katsuma)
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