面接に行ってきた
ブラックが耐えられなくなってきたところに身内の病気が重なり限界だった。
一向に仕事が決まらずハロワ通いが続いているが、あと1ヶ月もすれば少しの間だけれども失業保険が貰える。楽しみだ。
しかし何もせず実家にいるわけにもいかない。
昨日の今日で面接というのにまず驚いたが、面接官の女性にずっと説教されてさらに驚いた。
聞かれたことと言えば「前職を何故辞めたか」のみ。一生懸命書いた志望動機や資格欄には目もくれず。
介護があったのだと言えば顔が曇り、今は入院していて近い将来施設に入るので会社に迷惑はかけないと言えば「では仕事を辞めたのはあなたのわがままだ」と返される。あなたは仕事に対する責任感が無いのね、と延々と説教をくらった。
いつまで持つか分からない身内の傍で親孝行したいと思う気持ちはそんなにいけないことなのだろうか。あの面接官の言うように、親元を離れて仕事をすることだけが親を安心させる唯一の方法なのだろうか。
仕事をするということは何かを切り捨てる事だと面接官は言う。社会に出るということは死期が近い身内を切り捨てる事なのか。
成人した子どもを持っていてもおかしくない年齢と思われるあの面接官は、きっと寂しい最期を過ごすに違いない。
そう思わなきゃやってられない。あの面接官は元気だったはずの身内にミキサーへかけたご飯を食べさせ汚れたオムツを取り替える寂しさを知らないんだろう。
少し待ってと言われ、別室に移動した面接官と誰かの会話が聞こえてきた。「介護が必要な人が家庭にいる人は……」という内容だった。
しかしあの面接官だったら介護以外の退職理由でも説教される自信がある。
質問があるかと聞かれたのでやけくそに「では求める人材は?」と聞いたら「あなたみたいな人じゃない人(要約)」と言われる始末。
〆は「あなたは採用しないから履歴書どうしますか?」だった。動転して置いて帰ってきたけど腹が立つから持って帰ればよかった。
これが世に聞く圧迫面接なのかい? 履歴書を受け取らない事も圧迫面接の一部なのかい?
現在仕事をしていないのは紛れも無い事実。自分が選んだ道だから悩みはするけど後悔は無い。
それを一言二言言葉を交わしただけの相手に人生単位で全否定されるのは辛い。
そんな相手の前で涙を流してしまったのは不覚。前職では職場で何度も泣いていたことを久しぶりに思い出した。これが嫌で仕事を辞めたんだった。無職でストレスフリーの生活を送っているうちに忘れかけていた。
ブラックだろうと最善を尽くしてきた。それでも辞めたくなる職場があるのだよ、世の中には。面接官にはそんなこと言えないけど。面接官にとっては、どんな理由があろうと仕事を辞める事は悪であるらしい。そんな事を言ったら誰も雇うことは出来ませんね、と喉まで出かかった。
応接室に、とある政治家の色紙が飾ってあるのを見つけた。改めて落ちて良かったと思った。
”- 面接に行ってきた (via jun69)