世界一切れる幻のカミソリ・・・「日本剃刀(にほんかみそり)」
別名「和ゾリ」。
世界の刃物の中で{本体の重みだけ}で切れるのは「日本剃刀」だけだといわれる。
ドイツ・ゾーリンゲンや現在の替え刃式安全剃刀(シックやフェザー)なども切れ味においてはるかに及ばない。
男性の髭剃りは勿論、女性の産毛もきれいに剃りあがり化粧ののりがまったく違うことから、昔は嫁入り道具の一部として重宝がられたものである。
しかし昭和30年代より替え刃式の安全カミソリが登場することで市場から次第にその姿を消すことになる。
また原材料である上質の砥石、松炭、軟鉄、鋼などが入手困難になった事も古式鍛錬による伝統産業の存続を困難にしている。
日本の美の伝統を受け継ぐ京都・祇園の舞妓、芸妓衆は現在も「日本剃刀」を使用している。
ちなみに人間の乾燥した「毛」の硬さは銅線とほぼ同じである。
細い銅線を切っていくには刃物によほどの硬度と靭性、耐磨耗性がなくてはつとまらない。
勿論実際に毛を剃る時には、蒸しタオルなどで毛を湿らせ毛の硬度を落とさないと刃が持たない。
小生は恥ずかしながら毎日の髭剃りは電気剃刀かシックの二枚刃を使っている。
以前、替え刃を替えたばかりの髭剃りを使おうとしたら全く切れずに顎や口の周りが血だらけになった。
鏡越しに後を通ろうとしたカミさんに
「変だなあ・・・昨日、刃を替えたばかりなのに全く切れん。シックも質が落ちたなあ・・・」と言うと
「ごめんごめん、昨日、それを借りて脇毛を剃ったけん」(!?!?!)
こういう時に妻を絞め殺しても殺人罪にならないちゃんとした法律を日本は作るべきだと思う。
世界一切れるカミソリ・「日本剃刀」をただ一人作り続ける日本最後の古式鍛錬剃刀職人・市原清隆(三木市在住)氏には残念ながら後継者はいない。
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